2012年06月23日

緑の課外授業 香西小に行ってきました

毎年おこなっている、建築士会有志による出前講座「緑の課外授業」に高松市立香西小学校の5年2組に行ってきました。

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今年の講座タイトルは「人と森が共に生きるために」。
文明の発達と森林破壊の関係や私たちの飲む水と森林、そして森林の役割とその保全のために私たちにできることなど盛りだくさんの内容です。
小五ではまだ習ってない内容も少しあるので分かり易く話すのに一苦労です。

途中、木材の特徴を知るための理科的なミニ実験も織り交ぜて、子ども達との活発なやり取りがあり、こっちまで元気になるような、あっという間の二時限でした。
この授業を通じて、子ども達が森や木材そして木の家に興味を持ってくれるとありがたいのですが・・・。
posted by こまつ at 18:28| Comment(1) | TrackBack(0) | 小学校PJ

2012年06月05日

2012かがわ木造塾始まる

香川県建築士会の中の活動としておこなっている「かがわ木造塾」が、6/2の建築家伊礼智先生の講座を皮切りに今年度も始まりました。
今年度も「かがわ木造塾」は、木と木造建築に関係する日本のトップランナーの方を講師に迎え、設計や施工に携わるプロの為の勉強会として、6回の座学と2回のフィールドワークで構成しています。
講座内容も3年目を迎えて益々充実していますので、出来るだけ沢山の方に受講していただきたいと思っています。

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posted by こまつ at 05:50| Comment(0) | TrackBack(0) | かがわ木造塾

2011年10月14日

2011住まい塾を開催します

快適で住みよい良質な木の家を建てたいと願っている住まい手の方に向けた勉強会「住まい塾」を今年も開催します。
全三回の開催です。

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第1回目は10月23日(日)の●午前10時〜からと●午後1時半〜からの2回開催します。

内容は共に二部構成で、最初は今注目のテーマ/創エネ『太陽光発電のウソ・ホント』です。
実際の設置事例を基に設置費用や売電収支をもとに省エネ度や本当にお得なのかを学びます。
二時限目は/現場でナットク『地震に強い!木構造のポイント』です。
屋根の上の越し屋根が特徴的な高断熱平屋建ての建築現場の中で、安く建てるノウハウや高知県嶺北のスギ材を「伝統構法」で組んだ、丈夫な木構造のつくりかたを実物を見ながら学びます。
講座は少人数制で、質問や相談も交えながら進めます。

また、「住まい塾」では二回目以降も/知らなきゃ損!『賢い資金計画のツボ』/ 健康で長生きできる『快適住宅のヒミツ』などのテーマで開催します。
各テーマとも、役立つ貴重な最新情報が満載です。
参加希望者は、10月20日(木)までに添付のチラシにある、電話、FAX、Eメールのいずれかでお申し込みください。

沢山の方のご参加をお待ちしております。


posted by こまつ at 11:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 住まい塾

2011年02月01日

日本の住宅の最高齢と平均寿命

現存する世界で一番古い木造建築は?
・・・といえば、良く知られているように法隆寺金堂で、築1300年ほどと言われています。
 ●法隆寺金堂: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Horyu-ji08s3200.jpg

たしかに、法隆寺は木造建築の耐久性の高さを示してくれるけれど、聖徳太子ゆかりの寺院でもあり、とても良く維持管理がされてきているはずで、特殊な例ともいえます。
一般の庶民の木造住宅では多分こうはいかないでしょう。

では、いったい普通の木造住宅はどれくらい保つのでしょうか?
300年、400年、500年・・・いやいやそんなものではありません。
現存する日本最古の住宅は兵庫県神戸市北区にある「箱木家住宅」で、14世紀の室町時代の建築と推定されています。
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つまり、今から約700年ほど前に建てられたものが今でも残っているのです。
日本の高温多湿の気候や白蟻の被害、地震の発生の多さを考えると驚異的とも言えます。

建物は巨大な茅葺き屋根が特徴的でなんだか竪穴住居を連想させます。
建物はどこを見ても質素で飾り気がなく簡潔です。

外壁は土塗り壁で窓が少なく、内部は少し薄暗い感じです。
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手前の「にわ」(土間)と奥の「おもて」(座敷)の間にある黒光りする柱は創建当初からのもので、角の面は幅広く、表面には荒々しい手斧(チョウナ)の後が残っています。
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「箱木家住宅」が日本の住宅の最高齢ならば、現代日本の住宅の平均寿命はどれくらいでしょう?
答えは約30年といわれています。

700年と30年あまりに違う数字に何か信じられない気持ちも覚えますが現実です。
アメリカの44年、イギリスの75年と比べてみても日本の住宅の耐用年数の短さは際だっています。
せめて倍の60年くらいは保って欲しいところです。

現在、これではいけないということで長期優良住宅制度を国が積極的に進めています。
現在の技術で厚化粧した長寿命住宅と対極をなすかのように山里に佇む「箱木家住宅」。
住宅としての本質は何かを問いかけてくるようです。
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posted by こまつ at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝統建築

2011年01月26日

家の気密を測定する

お誘いがあり、住宅の気密測定の様子を見学させていただきました。

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測定は窓に小さな風洞のような排気装置を取り付けて、その廻りを目張りし準備完了です。
計測を始めると中のファンが勢いよく回り、室内の空気を吸い出します。
室内からどれくらいの量の空気が排気されるかを測定して、住宅の隙間の面積を調べるのです。

高気密化は高断熱住宅では必須の技術で、隙間だらけの住宅ではせっかく断熱材を沢山入れても、期待する性能を発揮することが出来ません。
また、結露などの問題を生む原因にもなるので重要なポイントです。
高気密・高断熱は、私たちのように自然素材や伝統構法を使った住宅をつくってきた者から見ると最も遠い存在でしたが、最近になり、その両方の技術を融合することでより良い住宅が生まれるのではと考えています。

もっとも近頃の住宅は伝統構法を含めどんな工法の家でも、結果的にかなり気密化が進んでおり、昔のように隙間風の入るような家は皆無になりました。
その結果、室内外の空気の入れ替わりが少なくなり、合板やビニールクロスなどの新建材などから出る揮発性有害物質による室内の空気汚染、いわゆるシックハウス問題が発生するようになったのです。
そのため、24時間換気装置を取り付けることが国の法律で義務づけられました。

自然素材を使った住まいづくりをやって来た立場からみるといささか腹立たしいところで、本来より快適で、健やかに住まうためを目的として発達してきた住宅性能の向上が招いた矛盾のひとつと言えます。
posted by こまつ at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 温熱環境

2011年01月24日

伝統構法は歩くように移動した

兵庫県にある世界最大の実大振動台実験施設「Eディフェンス」で伝統構法の建物の振動実験があり見学に行ってきました。
広大な敷地内に建つEディフェンスの実験棟。
高さ43m、いゃ〜巨大です。
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内部は柱が無く完全なハコ。
実物大の試験体がどんと中央に鎮座しています。
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天井には実験建物をまるごと吊り上げられる400tクレーンが2機取り付けられています。
これで運搬台車から振動台に移動するのだろう。
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当日の実験は切り妻2階建て、石場建ての建物についておこなわれました。
「石場建て」とは昔の住宅などに多く見られる形式で、土台やアンカーボルトが無く、柱が直接基礎石の上に立っています。

この建物をいろいろな強さの地震波で三次元方向に揺らして建物の動きを計測します。
今回の実験で得られたデータを元に、伝統構法の設計法の開発につなげることが目的です。

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この日は中地震、大地震、巨大地震のうち、大地震の地震波をX方向、Y方向に分けて揺らしました。
その結果、計測データからは、変形しながら40〜50mm程度歩くように基礎石のうえを移動したようです。

石場建ての伝統構法は建物をアンカーボルトで基礎に固定してないため、大きな地震力を受けると、その力をいなすように建物全体が動いて被害を軽減することが判っています。
しかしながら、現在の建築基準法では建てることが出来ません。
一日も早い設計法の確立が望まれています。

posted by こまつ at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝統建築

2011年01月15日

やまべの木構造

今日は「かがわ木造塾」に山辺豊彦先生をお迎えし1月講座を開催しました。
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山辺先生による木構造の講座は非常に人気で、全国各地から講演の依頼があり来月は10ヶ所で講演をされるそうです。
なぜそれほどの人気があるかというと、山辺先生は木構造研究の第一人者であると共に、構造設計事務所の代表で実務者であることが大きいように思います。
そのため、実際の現場や大工さんとのやり取りに根ざした経験をもとに、難解な木構造を一般の設計者にも判り易く解説が出来るのです。

一般の木造住宅建築の場合、最近は木構造の設計をプレカット工場や大工さんに丸投げするケースが目立ちます。
設計者としては、出来るだけ自分自身のスキルを向上させ、建築主の求める安全・安心に対し、責任の持てる木構造をつくることが大切で、そのためには経験や勘だけにたよらない根拠のある構造設計力が必要なのです。

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部屋一杯となった受講生が真剣に山辺先生の話を聞く姿からは、より良い木造建築に取り組もうとする熱い意欲が伝わってきました。
posted by こまつ at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 講座・研修

2010年12月21日

土壁塗は楽しいぞー!!

綾川の家では、左官さんが竹小舞の上に壁土を塗る最初の工程の「荒壁塗り」をおこないました。
また、午後からは建て主さんご家族が参加して土壁塗体験もおこないました。
建て主さんにとっては、自分たちの家がどのようにつくられているか体験できる良い機会です。

まず、最初はご主人からやってみます。
作業にかかる前に、壁土を塗るための金コテや壁土を載せるコテ板の使い方を左官さんからレクチャーを受けます。
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左官さんは大きな金コテでササッと塗っているので、一見とても簡単そうに見える土壁塗ですが、いざやってみるとこれがなかなか難しいのです。
まず、うまく壁土がコテの上に載りません。
次に、そのコテの土を上手く延ばせません。
コテを右に左に動かしていると壁土がバサッと落ちてしまったり、なかなか慣れるまで四苦八苦です。
ご主人は途中から毛糸の帽子を脱ぎ、汗ばみながら真剣にコテを動かします。
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少したって、奥さまも挑戦。
ここで、奥さまは思いの外けっこう器用なことを証明。
上手くコテの上に土を載せ竹小舞に土を塗りつけていきます。
「上手くできないと悔しい!」なんて言いながらワイワイ楽しく塗り広げます。
そんな奥さまを家族みんなが見守ります。
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しばらくして、お母様も現場に休憩のお茶を持ってこられ、ついでに挑戦です。
思わず夢中になります。
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竹小舞の反対側には、塗りつけた荒壁土がムニュッと顔を出して冬の夕日に照らされています。
なんだか今回も良い土壁が出来そうです。
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ふと見ると、奥さまが手元役になって左官さんに息を合わせて壁土をすくって渡しています。
あんまり頑張るとあくる日に筋肉痛になるかも、と少し心配しながら様子をみます。
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こんな光景を見ていると、この現場でも職人さんと建て主さんとの信頼の絆が深まり、良い関係が出来るのだろうなと予感しました。





posted by こまつ at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 綾川の家

2010年12月18日

屋根瓦葺き

綾川の家の屋根はいぶし瓦葺きです。
瓦は、三州(愛知県)、石州(島根県)と淡路(兵庫県)が「瓦の三大産地」で、この三ヶ所で全国の9割を生産しているらしい。
その内、いぶし瓦については淡路がトップで全国の5割を生産しているとのこと。
今回使用したいぶし瓦は、淡路のみなと瓦産業製のもので、良質な粘土を原料に高温の単窯で焼き締めてつくられています。
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いぶし瓦は、防火性や遮音性が高く、耐用年数も長いので、日本の家屋の屋根の定番となっています。
日差しを受けて銀黒に美しく輝く町並みは日本の心の原風景です。

いぶし瓦は適切なメンテナンスをすれば100年以上も使えることが実証されています。
現在、日本で実際に使われている最古の瓦は奈良の元興寺の瓦で、元は「飛鳥寺」(587年)に葺かれていたものを移築し再利用したものといわれています。
つまり、1400年前の瓦が今も現役で使われているのです。
元興寺HP: http://www.gangoji.or.jp/tera/link/link.html

瓦屋根のてっぺんからあたりを見ると冬を迎えた田園風景が穏やかに広がっています。
このいぶし瓦の住まいが、この風景の中の一つとして、長くこの地に建ち続けていってほしいものです。
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posted by こまつ at 13:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 綾川の家

2010年12月13日

かがわ木造塾in三好

12月11日に、かがわ木造塾のフィールドワーク「香川県産材とJパネル」をおこないました。

http://kagawakenchikushikai.com/mokujyuku2010.pdf
http://kagawakenchikushikai.com/mokujyuku.html

集合場所の箸蔵山ロープウェイの駐車場で徳島県農林水産部の華岡課長補佐とお会いし、ご用意いただいたバスに乗り込み見学開始。
最初は(株)阿波林材さんを訪問。
製材工場や製品加工工場、ストックヤードなど分散している施設を移動しながら説明をいただきました。
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広大なストックヤードで自然乾燥中のスギ板。
丁寧に隙間を空けて立てかけられている。
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次に三好木材センターとその市場を見学。
広い土場に原木が沢山並べられているが、原木価格の低迷で大変だとのこと。
あまりの安値は手入れの行き届かない森林を広げることになり難しい問題を投げかけている。

市場の一角にある「かがわ県産材コーナー」
塩江の国有林を中心としたヒノキの原木が出荷されていた。
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香川県産のヒノキは雨が少ないため、目込みで色合いが良く、芯が中心にある曲がりの少ない良材が多いのが特徴とのこと。
原木を前に説明を受け、今後使っていきたいと思わされた。
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次は(有)山口製材所を訪問。
ここはスギの縁甲板や足場板などの製品をつくっているとのこと。
ここで作られる縁甲板の節補修は、接着剤でなくて丸い埋木を使用している。
製品への社長のこだわりが感じられた。
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板の乾燥に使うバイオマスボイラーについて熱く語っていただきました。
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昼食後、私の現場でも大変お世話になっている(株)山城もくもくを訪問。
バスは山の中をしばらく走り「えー、こんな所に」と驚かされる山の中に突如として現れた工場に到着。
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ここではスギの三層クロスパネル(Jパネル)をつくっており、休日返上で工場が稼働していました。
Jパネルは構造材でありながら、仕上げ材としてもそのまま使える優れものです。
また、間伐材でつくられているので、森林資源の有効活用が図られると共に、山間地域の貴重な雇用の場となっています。
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posted by こまつ at 16:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 講座・研修