綾川の家では、左官さんが竹小舞の上に壁土を塗る最初の工程の「荒壁塗り」をおこないました。
また、午後からは建て主さんご家族が参加して土壁塗体験もおこないました。
建て主さんにとっては、自分たちの家がどのようにつくられているか体験できる良い機会です。
まず、最初はご主人からやってみます。
作業にかかる前に、壁土を塗るための金コテや壁土を載せるコテ板の使い方を左官さんからレクチャーを受けます。

左官さんは大きな金コテでササッと塗っているので、一見とても簡単そうに見える土壁塗ですが、いざやってみるとこれがなかなか難しいのです。
まず、うまく壁土がコテの上に載りません。
次に、そのコテの土を上手く延ばせません。
コテを右に左に動かしていると壁土がバサッと落ちてしまったり、なかなか慣れるまで四苦八苦です。
ご主人は途中から毛糸の帽子を脱ぎ、汗ばみながら真剣にコテを動かします。

少したって、奥さまも挑戦。
ここで、奥さまは思いの外けっこう器用なことを証明。
上手くコテの上に土を載せ竹小舞に土を塗りつけていきます。
「上手くできないと悔しい!」なんて言いながらワイワイ楽しく塗り広げます。
そんな奥さまを家族みんなが見守ります。

しばらくして、お母様も現場に休憩のお茶を持ってこられ、ついでに挑戦です。
思わず夢中になります。

竹小舞の反対側には、塗りつけた荒壁土がムニュッと顔を出して冬の夕日に照らされています。
なんだか今回も良い土壁が出来そうです。

ふと見ると、奥さまが手元役になって左官さんに息を合わせて壁土をすくって渡しています。
あんまり頑張るとあくる日に筋肉痛になるかも、と少し心配しながら様子をみます。

こんな光景を見ていると、この現場でも職人さんと建て主さんとの信頼の絆が深まり、良い関係が出来るのだろうなと予感しました。