2008年02月26日

襖(ふすま)の下張りのナゾ

鬼無の家では表具屋さんが襖の寸法合わせをしました。
寸法合わせは木で組んだ襖の下地桟に下張りの和紙を張った状態でおこないます。
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現場に持ち込まれた襖を見るとなにやら墨で書かれた文字が一面にあります。
この字は何のために書いてあるのだろうか興味がわいたので、「この筆書きどうして書いているの?」「本当に墨で書いているの?」と表具屋さんに聞いたところ、これは紙に印刷しているのだとのこと。
「え〜、なんで印刷しているの???」
「何か印刷していると良いことがあるの???」
字を書いてない紙でも良いようなものなのに、何のために手間をかけて印刷しているのか、その理由がサッパリ判らないのでなお聞いたところおもしろい話が聞けた。
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表具屋さんによると、昔は和紙が大変貴重で高価だったので古い書き付けや手紙、大福帳などの和紙を襖の下張りとして再利用していたとのこと。
近年になり和紙が機械漉きとなり比較的安価に利用できるようになっても、古い時代の手漉きの和紙の方がずっと品質が良く、襖の下張りとしても最適だったので、高級な襖の下張りには使われてきたのだそうだ。
紙屋さんもそのために古い時代の手漉き和紙を在庫していたのだそうだ。
しかし、その在庫も無くなり全て機械漉きの和紙の今となっても、「昔の書き付けのある和紙」→「品質の良い手漉き和紙」→「高級品の襖の下張り」というイメージだけが残り、その雰囲気をだすために紙屋さんが印刷しているようだ。
つまり筆書きはあってもなくても実際の品質には何も影響しないのだ。
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表面に襖紙を張ってしまえば当然隠れてしまう下張りにまで気を使う職人や紙屋さんたちがいて襖というものができていることを知り、また、その墨書きにあらわされた日本人の繊細な心遣いや民族性までも感じてしまったのでした。





posted by こまつ at 20:40| Comment(3) | TrackBack(0) | 鬼無の家

タモの床板

木太町の家ではダイニングキッチンの床板がほとんど張れました。
この床板はお客様のご希望でタモ材の無垢板を使用しました。
木目が通りほとんど節の無い大変良質な一級品の床板です。
おかげで張り上がりの出来映えもすごく綺麗です。
杉板と違いかなり堅いので、これだと椅子の脚による擦り傷も気にならないでしょう。
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今回使用したタモの床板は、VOC(揮発性化学物質)によるシックハウスのおそれを考慮して無垢材としましたが、一般に流通している建材としては、ウレタン樹脂塗装しているものが多く、無塗装品は少ない状況です。
また、無塗装品があっても表面の仕上げが粗木の状態で販売されているものが大半で、サンダー掛けなどの仕上げをして販売されているものは少ないようです。

タモなどの無塗装品が粗木で販売されるのには理由があります。
これらの床板の主な用途としては体育館の床などスポーツ施設向けが多く、こういったところでは非常に平滑な床が求められるため、張った後に専門の施工業者が機械を使いサンダー掛けをしながら不陸を修正して平らにし、ウレタン塗装を塗り重ねるため、粗木の方が都合がよいのです。

調べた結果、いくつかの会社で出荷前に特注で表面のサンドペーパ掛けをしてもらえることが判ったのですが、詳しく聞いてみると、いずれもサンドペーパーの目が粗く、そのままでは現場で浸透性の植物性オイル塗装しても満足な出来映えとならない可能性がありました。
そこで一計を案じ、杉の床板を製造している会社にタモの無垢板の粗木を購入してもらい、表面加工をしてもらえないかと相談したところ協力してくれるとの返事だったので今回お願いしました。
サンドペーパーの目もこちらの指定した細かいもので研磨してくれたのでツルツルの仕上がりとなり大変満足できるものとなりました。

建材は一般流通品を使用する時には、何の苦もなく施工できるよう配慮されて商品化されていますが、少し特殊な物を使用す場合は色々なことに配慮しなければならないものだなとまた一つ勉強になりました。

PS
(塗装に際しては、塗料をタモ材が吸い込み目が起きるので軽くサンドペーパー掛けをするとより良い仕上がりとなります)
posted by こまつ at 19:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 木太町の家

2008年02月22日

配水管

木太町の家では内装工事が進んでいます。
その工程に合わせて給排水の配管工事をします。

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写真は2階トイレの配水管です。
トイレが2階にある場合、配水管は1階天井裏部分に出てきます。
その排水管を通常の塩化ビニール管(VP)ですませていると、排水時の水音が1階に喧しく聞こえる原因になってしまい、建て主からの苦情の原因になることもあると聞きます。

木太町の家ではその排水音対策として、平面計画の時点から出来るだけ近くにパイプシャフトを設けるとともに、配水管を遮音・防音性能の高い消音配水管を使うことで対処しています。
配管材料費はVPに比べ高価ですが、建て主にとって住みだして判る違いがあると思い採用しています。
posted by こまつ at 07:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 木太町の家

2008年02月19日

構造材の番付け

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大工さんの加工場に高知県嶺北から梁桁の構造材が届きました。
さあ、これから構造材の刻み(加工)開始です。
この工事はプレカットではなく手刻みなので、刻みの完了まで2ヶ月以上の時間と手間がかかります。

まず、最初に沢山の構造材を元と末(下と上)の方向を揃え、太さと長さ別に整理します。
整然と並べられた杉材が美しい色合いとつややかな光沢を放っています。
こんなに沢山あっても無垢の杉材は一本として同じものはなく、それぞれが個性的で美しく、見ていて飽きません。
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その杉材を、節の状態や色つや、強度(ヤング係数)、乾燥具合(計測表)を確認し、構造図と照らし合わせ、それぞれにふさわしい建物の場所(部位)で使用するように慎重に選んでいきます。
材を選定した後、材の両端部に通り番号を記入します。

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この一連の作業を私たちでは構造材の「番付け」と読んでいます。
posted by こまつ at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 多肥上町の家

2008年02月15日

梅が咲きました

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現場の近くの小さな神社の境内に植えられた紅梅が、今年も綺麗な花をつけました。
梅の花にそっと顔を近づけ香りを嗅ぐと、春が来たことを教えてくれました。
posted by こまつ at 20:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然

荒壁塗り

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竹小舞に壁土を塗ると、土が青竹の間からせり出し規則正しい文様をつくります。
青い竹、黄土色の土、縫うように編まれたワラ縄。
そしてこれからの十分な乾燥時間と丁寧な塗重ねが強い壁をつくる秘訣です。
posted by こまつ at 19:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 香西の家

青空の下で

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「木太町の家」では外部の工事が完了し足場を取りはずしました。
今まで、足場のシートに隠れてよく見えなかった建物の姿が、久しぶりの青空の下にあらわれ、陽の光を受けて輝いているように見えます。
その姿を見ていると、設計から今までのことが頭をよぎり感慨深いものがあります。
posted by こまつ at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 木太町の家

2008年02月10日

鴨居のボルト

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柱と鴨居の取り合いの部分です。
下から見ると何の変哲もない鴨居の杉材が柱にくっついているだけのようですが、上から見ると柱を貫通させた細いボルトとナットで締め付けられているのが判ります。
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このようにボルトを入れて止め付けるやり方は今の一般の住宅ではとても少なくなりました。
普通は上斜めから木ねじを打ち込んで止めることが多くなっています。
何故やらないかといえばボルト穴開けや鴨居上のミゾ掘りなどとても手間がかかることと、完成引き渡しの時はボルト有り無しの違いの見分けがあまりつかないからです。
しかし、3年、5年と時間が経つと木は乾燥し収縮するので隙間が出来る可能性があります。
特に杉材は収縮する量が大きいのです。
そうなっても鴨居と柱の間に隙間やガタツキが出ないよう、工事をしてくれている大工棟梁は丈夫なボルトを入れ座金がゆがむほど締めこんでボルトにテンションをかけています。

見えないところですが手を抜かず、とても丁寧な仕事をしてくれている大工棟梁の仕事に対する誠実な姿勢と、これから長く住まわれるお客様に対する思いを感じます。
posted by こまつ at 20:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 木太町の家