2011年01月26日

家の気密を測定する

お誘いがあり、住宅の気密測定の様子を見学させていただきました。

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測定は窓に小さな風洞のような排気装置を取り付けて、その廻りを目張りし準備完了です。
計測を始めると中のファンが勢いよく回り、室内の空気を吸い出します。
室内からどれくらいの量の空気が排気されるかを測定して、住宅の隙間の面積を調べるのです。

高気密化は高断熱住宅では必須の技術で、隙間だらけの住宅ではせっかく断熱材を沢山入れても、期待する性能を発揮することが出来ません。
また、結露などの問題を生む原因にもなるので重要なポイントです。
高気密・高断熱は、私たちのように自然素材や伝統構法を使った住宅をつくってきた者から見ると最も遠い存在でしたが、最近になり、その両方の技術を融合することでより良い住宅が生まれるのではと考えています。

もっとも近頃の住宅は伝統構法を含めどんな工法の家でも、結果的にかなり気密化が進んでおり、昔のように隙間風の入るような家は皆無になりました。
その結果、室内外の空気の入れ替わりが少なくなり、合板やビニールクロスなどの新建材などから出る揮発性有害物質による室内の空気汚染、いわゆるシックハウス問題が発生するようになったのです。
そのため、24時間換気装置を取り付けることが国の法律で義務づけられました。

自然素材を使った住まいづくりをやって来た立場からみるといささか腹立たしいところで、本来より快適で、健やかに住まうためを目的として発達してきた住宅性能の向上が招いた矛盾のひとつと言えます。
posted by こまつ at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 温熱環境

2011年01月24日

伝統構法は歩くように移動した

兵庫県にある世界最大の実大振動台実験施設「Eディフェンス」で伝統構法の建物の振動実験があり見学に行ってきました。
広大な敷地内に建つEディフェンスの実験棟。
高さ43m、いゃ〜巨大です。
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内部は柱が無く完全なハコ。
実物大の試験体がどんと中央に鎮座しています。
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天井には実験建物をまるごと吊り上げられる400tクレーンが2機取り付けられています。
これで運搬台車から振動台に移動するのだろう。
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当日の実験は切り妻2階建て、石場建ての建物についておこなわれました。
「石場建て」とは昔の住宅などに多く見られる形式で、土台やアンカーボルトが無く、柱が直接基礎石の上に立っています。

この建物をいろいろな強さの地震波で三次元方向に揺らして建物の動きを計測します。
今回の実験で得られたデータを元に、伝統構法の設計法の開発につなげることが目的です。

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この日は中地震、大地震、巨大地震のうち、大地震の地震波をX方向、Y方向に分けて揺らしました。
その結果、計測データからは、変形しながら40〜50mm程度歩くように基礎石のうえを移動したようです。

石場建ての伝統構法は建物をアンカーボルトで基礎に固定してないため、大きな地震力を受けると、その力をいなすように建物全体が動いて被害を軽減することが判っています。
しかしながら、現在の建築基準法では建てることが出来ません。
一日も早い設計法の確立が望まれています。

posted by こまつ at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝統建築

2011年01月15日

やまべの木構造

今日は「かがわ木造塾」に山辺豊彦先生をお迎えし1月講座を開催しました。
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山辺先生による木構造の講座は非常に人気で、全国各地から講演の依頼があり来月は10ヶ所で講演をされるそうです。
なぜそれほどの人気があるかというと、山辺先生は木構造研究の第一人者であると共に、構造設計事務所の代表で実務者であることが大きいように思います。
そのため、実際の現場や大工さんとのやり取りに根ざした経験をもとに、難解な木構造を一般の設計者にも判り易く解説が出来るのです。

一般の木造住宅建築の場合、最近は木構造の設計をプレカット工場や大工さんに丸投げするケースが目立ちます。
設計者としては、出来るだけ自分自身のスキルを向上させ、建築主の求める安全・安心に対し、責任の持てる木構造をつくることが大切で、そのためには経験や勘だけにたよらない根拠のある構造設計力が必要なのです。

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部屋一杯となった受講生が真剣に山辺先生の話を聞く姿からは、より良い木造建築に取り組もうとする熱い意欲が伝わってきました。
posted by こまつ at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 講座・研修