2009年09月15日

明治の瓦

雨漏りの修繕を依頼されて三木町のお宅を訪問した。

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その家は寄せ棟の大屋根の四方に下屋が付属している典型的な讃岐の民家のつくりをしており、黒漆喰で塗られた下屋と大屋根の壁には、2ヶ所の「虫籠窓」(むしこまど)がある。
明治23年に建てられたそうで、そろそろ築120年近い家だ。

漏水箇所はすぐに判った。
多分、傷みのひどい鬼瓦の周辺だろう・・・。
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ふと、下の下屋の瓦を見ると、あちこちで瓦の表面が弾けたように割れていた。
いぶし瓦は普通耐久性が60年以上あるとされており、それから考えるとずいぶん劣化が進んでいる。

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寸法誤差も大きく手の指が入るくらいの隙間もある。
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下屋は35年ほど前に新品の瓦に葺き替え他とのことだが、どうも瓦の品質が良くなかったようだ。

一緒に点検した瓦工事会社の担当者に聞くと、この頃の瓦は製造過程での粘土の圧密が弱く、燃焼時間も比較的短く焼き締めが不十分だったとのこと。
それが原因ではないかとのことだった。
そういえば先月修繕した塀の瓦も、同じ時期の製品で同じように弾けるように割れていた。
この時期の瓦は全体的に品質が悪いということなのだろう。

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大屋根に拭かれている明治23年の瓦の方が汚れてはいるが、明らかに品質は上だというのが判る。
この頃の瓦は焼成温度は現代より低いものの、長時間焼き締めているため耐久性があるらしい。

戦後の建築ブームの頃の粗製乱造品と手作りで丁寧に作られた時代の品物の対比がものづくりの基本を教えてくれているようだ。

posted by こまつ at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 木の家
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