2006年03月24日

チリ付けは左官の心意気

「宮脇町の家」は大工さんの仕事も終わり、工程は左官さんの仕事に移っています。
この家の主な左官仕事は土壁で、荒壁→返し→大直しと順次”壁土”を塗り重ねては乾かすという工程を繰り返してきました。
塗重ねられた土壁は、表面に細く無数のひび割れが入り、十分に乾燥し、硬く締まったことを私たちに教えてくれます。
DSC03989_s.JPG

この乾いた土壁に、更に中塗り土を塗り、最終仕上げの漆喰塗りをしなければなりません。
それに先立ち、まず左官さんは柱や鴨居などの際に3cmくらいの幅で斜めに壁土を塗ります。
DSC03989_s.JPG

これを左官さんは「チリ付け」と呼びます。
(チリとは建築用語で柱と壁面の取り合い部分などの段差のことで、普通10mmから15mmです)
これを施工することにより、中塗り土の収縮による見苦しい柱際の隙間(チリ切れ)を軽減することが出来ます。
IMG_2733_s.JPG

しかし、この大切な工程もそれだけ手間がかかり、当然コストも増えるので、近年は施工する現場がめっきり減りました。
若い左官さんに「チリ付け」の話しをしても判らない人もいるほどです。

今回、左官工事をお願いしている石田左官さんが、この一手間を省くことなく当然のように施工している姿には、日本人がずっと持ってきた「ものづくり」に対する誇りと真摯な心意気を感じさせます。

チリ付けをしても、しなくても、お客さんから頂いている工事費が増えたり減ったりするわけではありませんが「チリ付け」は大切な工程のひとつとして、これからも省くわけにはいけないと思っています。
IMG_27672_s.JPG
posted by こまつ at 09:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 宮脇町の家
この記事へのコメント
ほんと、石田さんの仕事には感心させられます。
父親が左官でも、左官の仕事は、知らない事だらけです。
Posted by yumeko at 2006年03月27日 19:43
今回、石田さんと一緒に仕事が出来て本当に良かったと思います。
技術的にも素晴らしいですが、その優しい人柄にふれ更にファンになりました。
Posted by こまつ at 2006年03月28日 08:09
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