2006年05月23日

経年点検と品質管理

私どもでは、完成引き渡し後6ヶ月、1年、2年と経年点検をおこないます。
先日も昨年施工をした住宅の1年点検をおこないました。
発見した不具合は点検シートと図面に記入し記録に残します。
IMG_4944_s.JPG

いつも建て主に喜んでいただける経年点検ですが、一般に建築会社は経年点検には消極的です。
その理由は、点検すれば何らかの不具合が発見されるのが普通で、施工上の瑕疵(かし:不具合)であれば無償で修繕しなければならないからです。
修繕費用の発生と共に、サラリーマンであれば、その工事の担当者として社内的な評価も下がるので誰しも積極的に点検したがらないというわけです。

しかし、経年点検は私たちにとって実は大きなメリットがあります。
それは、施工技術習得のまたとないチャンスということです。
私たちは施工途中で、此処はこうしたら良いだろうと考え工事しますが、その結果として本当に良かったかどうかを評価出来るのは、この経年点検の時しかありません。
上手くいっていればOKですが、ダメで不具合が発生していれば原因を調査し、改善することで、次の仕事につながる貴重なノウハウとなるのです。

建物は材料も多様で部品点数も多く、つくる人間もまちまちです。
家を建てられるお客様には申し訳ないのですが、漏水などの重大な不具合は別として、軽微な不具合はある程度の頻度で発生すると考えるのが普通です。
不具合を発生させないことは大切ですが、より大事なのは発生している不具合を見逃さずに発見して、しっかりと修繕し、次の工事では同じ過ちを繰り返さないことです。
こうすることで、品質管理のP(計画)・D(実行)・C(点検)・A(改善)のサイクルを廻すことになり、より品質の高い建物をつくることが出来るようになります。

ですから定期的な経年点検はより積極的にやっていく必要があると考えています。




posted by こまつ at 03:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 木の家
この記事へのコメント
はじめまして
いろいろ読ませていただきました

私は、とある有名?な女性設計士の方に紹介されこのブログを読ませていただきました

自分は大工職あがりの現場監督をさせていただいているものです

私の会社でも経年点検は嫌がるものです
しかし、職人あがりの私は自分のやった仕事にはなぜか自信を持ちたく、自分が設計施工管理したお客様は機会があれば何度でも訪問し瑕疵について無償修理して余計な簡単な工事も無償でしてしまい怒られています

でも、小松さんのおっしゃるとおり品質向上につながるものだと確信しております

またお邪魔をいたします
Posted by 萬 at 2006年05月27日 06:54
萬さんはじめまして。
読んでいただいてありがとうございます。

萬さんのおっしゃる通り自分の手がけた仕事はいつまでも気になり、おりがあれば訪問し、つい指摘されてないところも直してしまいますよね(笑)
私も施行畑に長くいましたので気持ちがわかります。
これからもそういった、ものづくりにたずさわる者の想いを大切にして仕事をしてまいりたいものですね。

Posted by こまつ at 2006年05月27日 14:29
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